決定ホヤホヤ!住宅の関連の新補助金!
公開日:2022年11月18日
10月28日に「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」、11月8日には補正予算が閣議決定されました。
「だから何?私たちにはどんな恩恵があるの??よくわからないよ・・・」と思ってしまいますよね。
それでは、詳しく解説していきます!
「3省連携ワンストップ利用可能」な補助金!とは??
まだまだ決定されたばかりで実務レベルでは完全には整っていない状態ではありますが、それでもこれから新築やリフォームを考えている人にとっては朗報に違いありません。
因みに当社はグループの建築会社もあり、土地や物件探しだけでなくその後の新築・リフォーム・リノベーションもプランニング・デザイン~引き渡しまでを一括でサポートできます。
当然、当社のFPと建築会社間で連携を取りますので、補助金申請もスムーズに準備を進める事ができますよ!
住宅取得をご検討の方は是非ご相談ください。
それでは補助金の内容を詳しく見て行きましょう。
「3省連携」で“家庭”からカーボンニュートラル実現を目指す
まず「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」とは、
①物価高騰・賃上げへの取組
②円安を活かした地域の「稼ぐ力」の回復・強化
③「新しい資本主義」の加速
④国民の安全・安心の確保
の為の対策案で、10月28日にこの案が閣議決定され、これを実行するために必要な補正予算案が11月8日に閣議決定された、という状態です。
その中に、各家庭レベルから省エネを強化するために省エネ住宅を新築したり省エネ化の工事には国が支援しますよ、と言う内容が盛り込まれています。
2050年カーボンニュートラルの実現を目指した、いわば「国民みんなが一体になってがんばろう」な施策なのです。
個人的には「賃貸派」には何とも参加しようがない“置いてけぼり”施策と言えなくもない気がしなくもない、、、とつい。スミマセン
今後、「3省」の事業ごとに国が選定する事務局に登録した「事業者」(建築工事を行う業者)と、令和4年11月8日以降に請負契約をした工事を対象に、補助金の申請受付が開始される見込みです。
では「3省」とはいずこ?のお話ですが、
◇経済産業省
◇環境省
◇国土交通省
の3省です。上記の「3省の連携により、各事業をワンストップで利用可能(併用可)とする」とあります。
ヨク イミガ ワカラナイ
と思ってしまいますが、かみ砕いて要すると「3省が連携=各省からの支援が複数あるけど全部省エネ化のためだから1つの施策としてまとめたよ、対象なら各省の支援併用もできるよ~」と言うことです。
では次はこの補助金の大枠を見て行きましょう。
今回の3省連携の補助金は「住宅の省エネ化の支援強化」
今回閣議決定した総合経済対策の中には当然ながら各問題に対してのたくさんの施策が盛り込まれていますが、この補助金は「危機に強いエネルギー供給体制の構築」と言う施策項目の中のひとつです。
本年始まってしまった戦争の影響によるエネルギー価格高騰と言う窮状に世界があえぐ中、各家庭で「省エネ生活を確保するため」「CO2排出を減らすため」の工事には補助をするものです。
各省の施策(10/28閣議決定時資料)
・既存住宅の断熱リフォーム等加速化事業(環境省)
・住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等(経済産業省、環境省)
・高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業(経済産業省)
・物価上昇下における省エネ住宅ストック形成に関する新たな支援制度(仮称) (国土交通省)
上記の通り、徹底的に「エコ化」の補助金ですね。中古物件の単純購入は当てはまりませんが、要件に該当する新築分譲住宅の購入は対象になります。
更に今回この補助金は、複数盛り込まれた支援事業の併用が可能と言う点で、適用条件に合致すれば支援額の面で大変大きなメリットがあるものです。これから住宅取得やリフォームをお考えの方は、この後の詳細をしっかり読んでいただくことをお勧めします。
補助金の詳細/3本柱
ここから、どんな支援事業があるのかとその詳細を解説いたします。
少々文字が多めにはなりますが、新築住宅取得・リフォーム・リノベーションをお考えの方はぜひあきらめず読んで行ってくださいね。
今回の支援事業(補助金給付)は“家庭部門の省エネ強化の推進”を目的として、経済産業省・環境省・国土交通省が3本柱となって連携して行われます。
そして、支援事業は3つの補助金で成り立っています。
A 住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等
B 高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金事業
C こどもエコすまい支援事業
この3本の柱によって成り立ち、各補助金への申請は事業者登録をした工事業者から行います。
補助金の交付については、A,Cは申請事業者へ交付(ただし住宅所有者に補助金全額が還元されることが条件)、Bに関しては、事業者による代理申請に基づき、給湯器導入者へ交付されます。
それでは各事業を詳しく見て行きましょう。
A: 住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等
この事業は経済産業省と環境省の連携事業です。
◇既存住宅の早期の省エネ化による、エネルギー価格高騰への対応(冷暖房費負担の軽減)。
◇2030年度の家庭部門からのCO2排出量約7割削減(2013年度比)への貢献。
◇2050年ストック平均でZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保への貢献。
上記3点が目的とされています。
高断熱窓への断熱改修工事に対して支援され、工事内容に応じて定額交付されます。(補助率1/2相当等。1戸あたり最大200万円を交付)
<補助対象>
◇住宅所有者がリフォーム事業者に工事を発注して実施するリフォーム工事
◇令和4年11月8日~令和5年12月31日までに発注(工事請負契約の締結)をしたリフォーム工事
◇事業者登録をした後に工事着工し、令和5年12月31日までに工事が完了するもの
更に、改修後の窓の性能が住宅の種類に応じて規定された「熱貫流率の基準」を満たすものについて、補助金交付の対象となります。
これについては工事業者とよく打合せましょう。
<補助額>
1戸当たりの上限補助額:200万円
◇補助単価:対象住宅のタイプに応じ、窓の大きさの区分・改修方法に基づいて定める額
◇1つの住宅における合計補助額は、補助単価×施工箇所数で算出する額
◇補助額が5万円未満の場合は申請できません。
交付の申請は工事をする登録事業者が行い、住宅所有者に補助金全額が還元されることを条件に申請事業者へ交付されます。
補助金の還元方法は、補助金申請時に申請事業者と住宅所有者間で合意している方法で行われます。
補助額の算出表はこのコラム下部をご確認ください。
B: 高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金事業
こちらは経済産業省による事業です。
仮定のエネルギー消費の大きな割合を占める給湯分野の省エネを促進するため、⾼効率給湯器の導⼊⽀援をし、2030年のエネルギー需給目標を達成することを目的としています。
具体的に言うと、省エネに直接つながる家庭用発電機・給湯器の導入に係る経費が補助されます。
<補助対象>:<補助額(予定)>
◇家庭用燃料電池:15万円/台
一般社団法人燃料電池普及促進協会(FCA)の製品登録に必要な要件を満たしたものとする予定。
◇ハイブリッド給湯器:5万円/台
一般社団法人日本ガス石油機器工業会の規格(JGKAS A705)で、年間給湯効率が108%以上のものとする予定。
◇ヒートポンプ給湯器:5万円/台
省エネ法上のトップランナー制度の対象機器である「エコキュート」とし、エコキュートのうち2025年度の⽬標基準値以上のもの及び「おひさまエコキュート」とする予定。
商品例
◇家庭用燃料電池 /アイシン 「エネファーム」
◇リンナイ ハイブリッド給湯機 等
※対象になる商品かは実際の購入時に必ずご確認ください。
なお、C こどもエコすまい⽀援事業と重複申請は
“新築”は不可(支援対象機器がこどもエコすまい⽀援事業の対象経費等に含まれているため)
“既築(リフォーム等)”は可(支援対象機器がこどもエコすまい⽀援事業の対象経費等に含まれないため)
となっています。
交付の申請は、給湯器導入者が契約等を行ったハウスメーカー、工務店、家電量販店、エネルギー供給事業者等が申請手続きを代行し、給湯器導入者へ直接交付されます。
C: こどもエコすまい支援事業
こちらは国土交通省による事業です。
子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の支援によって、2050年カーボンニュートラルの実現を図ることが目的です。
高い省エネ性能を有する住宅の新築、一定のリフォームが対象となります。
<補助対象>
①“子育て世帯・若者夫婦世帯”によるZEH(ゼッチ)住宅の新築・新築分譲の購入
②住宅のリフォーム
1. 住宅の省エネ改修
2. 1の工事を行った上で、住宅の子育て対応改修、バリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事等
Aはリフォームのみが対象なのに対し、Cでは新築と新築分譲購入も対象となっています。
①のZEH住宅とは、消費するエネルギーと創るエネルギーが等しいまたはそれに近い、1年の消費エネルギーがゼロ以下の住宅を指します。
Bであった併用不可の説明の意味がここでわかると思います。つまりZEH住宅の認定を受けるにはBの設備は必須となってくるため、こどもエコすまい支援事業には補助対象にBの対象物がすでに含まれている、と言う理由でBとCは併用できないと言う事ですね。
②のリフォームは対象工事について少々厳しく設定されています。
◇開口部の断熱改修
◇外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
◇エコ住宅設備の設置
(太陽熱利用システム/節水型トイレ/高断熱浴槽/高効率給湯器/節湯水栓/蓄電池)
リフォーム内容に上記3つの内1つは必ず含まなければならず、他に5つの対象工事があります。
◇子育て対応改修
(家事負担の軽減に資する設備を設置する工事 → ビルトイン食器洗機/掃除しやすいレンジフード/ビルトイン自動調理対応コンロ/浴室乾燥機/宅配ボックス)
◇防災性向上改修
◇バリアフリー改修
(手すりの設置/段差解消/廊下幅等の拡張/衝撃緩和畳の設置)
◇空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
◇リフォーム瑕疵保険等への加入
<補助額>
①については補助額上限は100万円。
②については補助額上限は最大60万円です。(リフォームする住宅・世帯タイプにより補助額が変わります。)リフォームの合計補助額が5万円未満の場合は申請できません。工事内容によっても、補助額が設定されています。
<申請方法>
新築住宅の建築事業者または販売事業者・リフォーム工事の工事施工業者が申請し、住宅取得者・所有者へ補助金全額が還元されることを条件に申請事業者へ交付されます。
補助金の還元方法は、補助金申請時に申請事業者と住宅所有者間で合意している方法で行われます。
他の補助金との関係、申請に当たっての注意点
<他の補助金との併用>
上にあげたA,B,Cに関しては、工事内容が重複しなければ併用が可能です。しかし、A,B,C以外の他の補助金は異なります。
他の補助金・助成金については、
・補助対象が重複する、国の他の補助制度との併用はできません。
・各地方公共団体の補助制度は、その財源が国庫から充当されていなければ併用が可能です。ただしA,B,Cと併用可能かの確認は、申請前に必ず地方公共団体に問い合わせましょう。
<申請期間の注意点>
3省連携補助金は閣議決定の2022(令4)年11月8日以降に請負契約を交わした工事が対象となります。11月8日以前に契約している工事は対象外です。
またA,C共通で補助対象の請負契約期間は2022年11月8日以降~2023(令5)年12月31日
工事実施については、
リフォームの場合A,C共通で→2023(令5)年12月31日までに完工
C の新築・新築購入の場合→2023(令5)年12月31日までに着工
上記が補助対象条件となります。
Bについては交付申請と完了報告とも期限は2024(令6)年2月末なのですが、併用してワンストップで利用するにはA,Cと同時に完工していなければなりません。
最後に
ここまで完読、お疲れさまでした。今回の補助金は3つフルに併用できるとリフォームの場合で
一般世帯 最大245万円
子育て・若者夫婦世帯 最大260万円
と、かなりの額を交付してもらえる補助金です。
リフォームをお考えの方には相当の補助になると思います。地方公共団体の耐震化補助金なども併用し、お持ちの住宅を生まれ変わらせる良い機会かもしれませんね。
また、新築の建築・購入を検討中の方も、「元々省エネ住宅を考えていた!」と言う場合はかなり狙い目ですね。
実際に補助金額がどのくらいなるのかは、工事を依頼する事業者との工事内容検討や見積りの段階でしっかりと打合せをし、申請前に想定交付額を教えてもらうと良いでしょう。
それでは、今年の残りもあと1か月となろうとしていますが、素敵な住宅ライフを!
3省連携補助金に関して詳細はこちらから
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